9月

秋の気配を感じたら、観に行くという体内スケジュールでした。

とても可笑しな謎解きの絵画

この謎の仕掛け人が、

宮廷画家であるとは驚き☆

「この絵が、皇帝・・?」と疑ってしまう奇形な顔は、よく観察すると、

季節の植物や果物で彩られ、自然の豊かさや繁栄を象徴し、王を称えています。

 

マクロコスモスとミクロコスモス

自然という壮大な宇宙と人間という小宇宙

その調和と一体

子供の頃から、この思想は、私にとって馴染みやすく、

今、私というミクロコスモスは、

自然の秩序と共鳴していることが確かに感じられます。

 

内なるものは、外にあり

外なるものは、内にある

この、理由のない理解

理解を超えた感覚

これ、なんだろう?

 

答えのない探求を「考えても仕方のないこと・・・」と

大人たちに諭されたことを思い出しながら、

今も変わらず、この探求が、

私の体内にイキイキと感じられることに歓びが沸き上がります。

 

奇才アルチンボルドを寵愛した風変りなルドルフ2世は、国の政治をよそに、

芸術と怪しげな錬金術にのめり込んだ結果、王位を退きます。

それでも、皇帝の飽くなき情熱や探求心のおかげで、

アルチンボルドの才能はよりいっそう華やぎ、

また、錬金術の研究が後の「化学」に発展したのは、確かなこと。

「魔術の城」とも呼ばれたプラハ城には、どんな人々が出入りをしていたのか?

興味をそそります。オカシな人たちは迎えられ、生きやすかったのかもしれません。

 

作品の中では、80種ものお花が描かれた「春」に一番惹かれました。

ミラノ生まれのアルチンボルドの鮮やかな色彩は、

現代のファッションに通じるイタリアらしいセンスがあり、

私たちの装いが、自然の彩りから生み出されてきたことが分かります。

当たり前の日常の「起源」にもっと、深く浸りたい!

そんな秋の始まりです☆